ランサー
ワールド ラリーカー '2004
(Lancer
World Rally Car '2004)

2004年に登場した、ミツビシのワールドラリーカー。
「ランサー エヴォリューション WRC」はグループAベースの急造ワールドラリーカーであったため、そのレギュレーションを生かしきれず、惨敗に終わった。
そのためか、三菱は組織再編と新型ラリーカーの開発の為に2003年の参戦を中止する。
そして、プジョー「206 WRC」を生み出したマリオ・フォルナリスを招き入れ、開発体制を日本主体からチーム主体へと切り替える。
そして、フォルナリスの手によってランサーは生まれ変わる。

「ランサー エヴォリューション WRC」からの共通部品はエンジン程度で、他は完全な新設計。
エンジンは元々、十分なパワーとトルクを持っていたため流用され、リアウィングはボディ後端ではなく後輪の直上に配置され、ダウンフォースが効率良く後輪に掛かる様に工夫されている。
しかし、1年では新体制の構築とマシン開発を行う時間が足らず、当時 主流であったアクティブデフやセミATの開発は間に合わず、デフ関係は全て機械式。
トランスミッションも5速シーケンシャルであった。
面白いのは見た目4灯ヘッドライトに見えるが実は内側二つはダミー。
おまけにフロントグリルの向かって左側もダミーであり、シールが張ってあるだけで穴は開いていない。
ボンネットを開けると、左側だけボンネットに付いている事が判る。

-2004年シーズン-
ドライバーラインナップはターマックスペシャリストのジル・パニッツィが全戦に参戦。
2台目はジャンルイジ・ガリ、クリスチャン・ソルベルグ、ダニエル・ソラらがイベント毎に乗り分ける体制となる。

待望の新型であったが、他の新型車の例に漏れずメカトラブルが頻発。
完走率は40%を切り、完走してもギリギリ入賞できるか出来ないかの瀬戸際であり、マニファクチャラーランキングはダントツの最下位となる。

あまりの不振にミツビシは終盤戦より参戦を休止し、再びマシン開発に注力する。