フィエスタ RS
WRC '2011 - '2013
(Fiesta RS World Rally Car
'2011 - '2013)

2011年より始まったワールドラリーカー新規定に対応するため、1.6L 直噴エンジンを搭載したラリーカー。
エンジンの小排気量化に伴い、従来の2.0Lターボエンジンに比べパワーは同等だがトルクは若干低下している。

従来の2.0Lから1.6Lへの変更に伴い、従来の「フォーカス WRC」より小型車種のエンジンルームであっても問題なく搭載する事が可能になり、フォードはフォーカスより車重が軽くコンパクトなフィエスタをベースとして選択した。

「鬼才」クリスチャン・ロリオーによる開発により、低重心、車体中央へのマスの集中、アブソーバーの斜め配置によるサスペンションのロングストローク化を実現し、
ハンドリングに優れたマシンに仕上がる。

- 2011年シーズン -
前年チャンピオンであるシトロエンとの一騎打ちとなる。
フィエスタは年間 3勝、2位 5回、3位 6回と活躍し、表彰台に登れなかったのはドイツのみ。
シトロエンとの優勝争いを展開する。
しかし、シトロエンは年間 10勝。3回の1-2フィニッシュを達成する。
ドライバーズ、マニファクチャーラーズタイトル共に最終戦まで争われたが、ランキング 2位に着けていたエース ミッコ・ヒルボネンのリタイアにより、どちらも年間 2位に終わる。

- 2012年シーズン -
エースであったミッコ・ヒルボネンがシトロエンへ移籍。
スポンサーのアブダビ観光局もシトロエンへ鞍替えしてしまう。

エースは2011年のセカンドドライバーで年間4位となったヤリ・マティ・ラトバラ。
もう1人は元世界チャンピオンのペター・ソルベルグというラインナップとなる。

2011年の年間ドラーバーズラインキング 1位、2位を擁するシトロエンに対し、年間2勝、2位 2回、3位 7回と奮闘するが、シトロエンは年間 10勝。1-2フィニッシュは5回と圧倒的な実力の違いを見せつける。

ドライバーズランキングは3位、マニファクチャーラーズランキングは前年同様 2位であったが、どちらも最終戦を待たずしてシトロエンのタイトルが決定する。

- 2013年シーズン -
フォード本体からのサポートが無くなり、チーム運営とマシン開発を行っているM-スポーツによる独自参戦となる。
当然、資金繰りは悪くなりエースであったヤリ・マティ・ラトバラを放出。
エースは昨年1勝を上げた若手のマッズ・オストベルグとなる。
また、ナッサー・アルアティアの加入により大型スポンサーとなる「カタール」を獲得。
資金持ち込みドライバーに対してのマシン供給、サポートを行い参戦資金の確保に努める。

ライバルのシトロエンは前年王者のセバスチャン・ローブがスポット参戦のみとなる。
また、フォルクスワーゲンが新規参戦を開始する。

フォードはシトロエンおよびフォルクスワーゲンに対し、優勝を勝ち取る事が出来ず、年間未勝利に終わる。
しかし、サテライトチームから全戦出場していたティエリ・ヌービルが7回の表彰台を獲得し、年間ランキング 2位と孤軍奮闘する。
マニファクチャーラーズタイトルはフォルクスワーゲンおよびシトロエンに敗れ、年間 3位となる。