206 WRC '2003

「マルボロ」というビッグスポンサーを獲得し、正に隙無し状態になってしまったプジョー。資金面でかなりの余裕が生まれたのか、他のワークスを尻目に、常時ワークス３台体制を敷く。
また、４人目のドライバーも準備しており、ワークスから３台、セミワークスから１台と計４台ものマシンを投入してくる。
と、ドライバー面に関してはかなりの豪華ラインナップを誇るものの、マシンにかんしては現状の「２０６」からほかの車種＋エンジンに変更しないかぎり大きな仕様変更が施せないのものの、他のメーカーが「２０６」食らいつけるレベルに達していないため来年も「２０６」で参戦するものと思われる。
車内温度が40℃を超えるアクロポリスではエアコンディショナーの搭載が可能なほどその速さは他メーカーを上回る。（しかし、エアコンディショナーの他にウォータースプレーを追加していしまい他のメーカーからクレームが付き、Leg1のみしか使用できなかった。）
１，２年前から言われている「307 WRC」への変更は何時？

2003年度 優勝ラリー
第2戦 スウェーデン（マーカス・グロンホルム）
第4戦 ニュージーランド（マーカス・グロンホルム）
第5戦 アルゼンチン（マーカス・グロンホルム）
第13戦 カタルニア（ジル・パニッツィ）

- 2003年シーズン -
2002年の圧勝振りを見ると2003年も安泰かと思われた。しかし、時間の進みはそれほど遅くは無く、プジョーは予想外の不信に陥った。
前半戦こそ他メーカーの新型が登場していない、あるいは信頼性が不足していたために勝利を飾る。
しかし、シトロエン、フォードが新型のマシンを投入。スバルが安定した走りを見せ始めた辺りから急激に勝利から遠ざかる。
特に2003年は2002年チャンピオンのマーカス・グロンホルムが不安定であった。チャンピオンが無理をしなければ勝てない位 206 WRCの戦闘力は他メーカーに遅れをとってしまい、さらにはV.O.(ヴァリアブル・オプション)を使って投入した新パーツが次々に壊れ、さらには今まで信頼性の高かったパーツですらロット不良を出す始末。
前半戦で貯めたマージンを後半戦で全て吐き出してしまい、結局 無冠で終わってしまう。
2004年はリチャード・バーンズを放出した事により、グロンホルムに頼る部分が今年以上に多くなり、ラインナップもグラベル要員のハリ・ロバンペッラ、オールマイティながらターマック要員のフレディ・ロイクス と、シトロエンに比べると寂しい。
唯一の希望は、新型の「307 WRC」が登場する。この出来しだいだ。