1976年まで、「アバルト 124 ラリー」でWRCに参戦していたフィアット。しかしその戦績は最高でシーズン2位。しかも子会社であったランチアの「ストラトス HF」の登場により、もはや勝利は望めないと言えるほどの状態になっていた。
そこでフィアットが起死回生のマシンとして開発したのが「アバルト 131 ラリー」だ。
開発は名前にもある様にイタリアの名チューナー「アバルト」。
ベースは大衆車であった「131」であったが、大きく張り出したオーバーフェンダーがコンペティションマシンであることを強く主張している。
WRCにおいては、あろうことかランチアに圧力を加えて参戦規模を縮小させ、さらにはスポンサーであったアリタリア航空まで奪い取るという形振り構わない状態であったものの、その強さは本物で'1977,78,80と3回もタイトルを獲得している。

フィアットはこの後に続くグループBおよびAでは再びランチアにWRCを任せたものの、WRCar登場後は「プント スーパー1600」での活動に留まる。ラリーに関して昔ほどは熱心ではない様だ。